パリでの留学生活を充実させる!おすすめの勉強場所【国立図書館からカフェまで】
留学中は、勉強に集中する時はするというメリハリが大切です。
せっかく様々なことを学べる環境にいるからこそ、机に向かう時間と、友人と話したり街を歩いたりする時間のどちらも意識して確保する必要があります。
幸いパリは観光や文化の中心であるだけでなく、学問の街でもあります。フランス国内だけでなくヨーロッパや世界中から学生が集まり、日々研究や勉強に励んでいます。
もちろん自分の部屋でも勉強はできますが、同じ空間にフランス人や留学生がいると不思議と気持ちが引き締まり、モチベーションも高まります。
そこで今回は、僕がパリで交換留学をしていたときによく通っていた勉強場所を紹介してみたいと思います。
BNF(フランス国立図書館)
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無料で利用できる廊下の椅子にて |
パリの勉強場所として外せなかったのは、Bibliothèque nationale de France(通称BNF)です。私の場合、大学や住んでいたアパートが近かったこともあり、一番利用頻度が高い勉強場所でした。
近代的な建築が印象的な大規模図書館で、パリの東側・セーヌ川沿いにあります。
建物は4つの巨大なタワーが囲むように建てられており、中央には広い中庭があります。外観だけでも迫力がある場所です。
BNFは大きく分けて2つの利用方法があります。
一般利用(無料)
荷物検査をして中に入ると受付やチケット売り場が広がっており、端まで歩いて曲がると奥まで長い廊下が伸びています。
廊下といっても机付きの椅子や、深く腰掛けられる椅子が置いてあるので作業や読書にはぴったりの場所です。Wi-Fiや充電も完備されているため、PC作業にも向いています。
上から見るとロの字の構造になっていて、真ん中は吹き抜けになっているので、廊下には自然光が差し込み、落ち着いた雰囲気の中で作業ができるのが魅力です。冬以外の時期は、テラスで作業している人もいます。ここも無料で利用可能です。
閲覧室利用(有料)
専用のカード(年間会員料15ユーロ:26歳以下料金)を購入すれば、分野ごとに区切られた閲覧室に入ることができます。中は広く、座席も快適。分厚い机、広々とした空間、豊富な蔵書が揃い、集中して勉強できます。
ちなみにこのカードがあれば時期ごとの展覧にも無料で入場できます。同じBNFでもパリのより中心部にあるリシュリュー館にも閲覧室がありますが、同じカードでは入場できませんでした。こちらはどちらかというと美術館的な要素が多かったように感じます。
BNFは警備も厳重で、入館時には空港のようなセキュリティゲートを通ります。
安心感もあり、学生から社会人まで幅広い層が利用していました。また地下には研究者用のフロアがあるらしく、何かとアカデミックな雰囲気が漂っていることも勉強のモチベーションにつながりました。
奥にはカフェがあったり、無料のロッカーもあるのでゆっくり椅子に座ってくつろぐだけでも来る価値があります。
ちなみに、建物周辺では常にダンスを練習する若者たちの姿がありました。ガラスの外壁が鏡のように使えるため、練習場所として人気なのだそうです。図書館内の静けさと外の賑やかさが対照的で、なんともパリらしい光景でした。
サント=ジュヌヴィエーヴ図書館
次に紹介したいのが、Bibliothèque Sainte-Geneviève(サント=ジュヌヴィエーヴ図書館)です。場所はパンテオンのすぐ横。パリ大学(ソルボンヌ)に隣接しており、まさに学生街の中心に位置しています。
この図書館の魅力は、まず建築の美しさです。高い天井、歴史を感じる装飾、そして長い机に並んで勉強する学生たち。
国が違いますが、ハリポタファンの私は、あのホグワーツの食堂を思い出すような雰囲気と規模感。
映画や写真で見たことがある人も多いかもしれません。ここは「勉強する自分」に酔える、そんな空間です(笑)
初めての来訪で入場用のカードを作ります。列に並びながらオンラインで事前登録をして、対面の受付では専攻などを聞かれ、その場で写真を撮ってカードが発行されました。
こちらは周辺の大学生を中心に大人気のため、座席確保が難しい時間帯もあります。特に試験期には朝から列ができることもあり、早めに行くのがおすすめです。
モチベーションがないとは絶対に言えない静けさと雰囲気を求めるなら、この図書館は訪れる価値があります!
公立図書館
BNFやサント=ジュヌヴィエーヴのような有名どころ以外にも、パリ市内には各区ごとの公立図書館があります。規模は小さめですが、日常使いには十分便利です。
利用方法はシンプルで、受付で図書カードを無料作成すれば貸し出しも可能。施設は日本の区立図書館と似ていて、地域住民が新聞を読んだり、学生がレポートを書いたりしています。私はDELF受験前に過去問をここで解いたりしていました。CDを聴くヘッドフォンとパソコンなどもあり、普段使いの勉強場所としておすすめです。雰囲気も大学の図書館より少しゆったりしている感じがしました。
私が利用していたのは**Bibliothèque Marguerite Durandです。**NAVIGOを使ってバス一本で行けたのでついつい気軽に行って本を借り過ぎてしまうということもありました。
意外に周りの留学生は利用していませんでしたが、やはり大学の図書館とは違って雑誌があったり今週のおすすめ本があったりするのは、よりフランス人の日常を垣間見れる感じがしてよかったです。
BULAC (INALCO併設の図書館)
BULACは私の留学先だったINALCO併設の図書館ですが、登録をすれば外部の人も利用できるようになっています。
私はINALCOに通っていたのでよく利用していましたが、正直勉強スペースとして特別優れているかと言われれば微妙だといわざるを得ません。というのもWifiが完備されておらず、特に試験前は席がすぐに満員になってしまうからです。
それでも足を運ぶ価値があるのは、やはり蔵書の圧倒的な充実ぶり。言語文化に関する資料は本当に網羅的で、「こんなマイナーな地域の文学まであるのか」と驚かされることが何度もありました。
快適さは他の図書館に及ばないかもしれませんが、好奇心を広げたいときや新しい言語に触れてみたいときには、これ以上ない環境だと思います。
最初に紹介したBNFからも近いので、「今日はBNFでがっつり勉強して、帰りにBULACで寄り道して珍しい本を探す」というルートもおすすめです。
カフェで勉強する
「せっかくパリにいるんだから、カフェで勉強したい!」と思う人も多いはずです。確かにパリのカフェ文化は魅力的ですが、長時間の勉強にはあまり向かないカフェも多くあります。特にパリ中心部のテラス席は喫煙者が多く、店内も混雑しやすいからです。実際、PCを開こうとするとここでは禁止だと言われたこともありました。
それでもカフェで勉強したいあなたにおすすめなのは、カルチエ・ラタン周辺の学生街のカフェ。平日の昼間は比較的静かで、ノートPCを開いて作業している学生の姿も見られます。コーヒー一杯で1〜2時間程度なら問題なく滞在できるでしょう。
時間帯や日によっても雰囲気は変わるので、ぶらぶら歩いて良さそうなところに入ることをお勧めします。
カフェは「本気の勉強」やレポート作業というよりも、気分転換や軽作業をしたいときに利用していました。
個人的にquartier latin はパリで一番好きな場所です。陽気な仲良しおじさんさんたちがジャズの演奏をするのを聴きながらのカフェはまさに心の芯まであったまる感じがあります。
コワーキングスペース
最後はコワーキングスペースです。
私は実は一回しか利用していないのですが、一応紹介しておこうと思います。
基本的に料金が発生するので学生というよりもフリーランスの社会人などの利用者が多い感じでしたが、勉強に使える環境は揃っていると感じました。
時間制料金を払えばドリンク飲み放題・Wi-Fi利用・電源完備というスタイルの場所も多く、図書館ほど静かではないですが、周囲の人もみんな作業しているので集中しやすい空気があります。
正直、日本のコワーキングスペースと大きく変わるわけではないです。ただ窓の外にパリの街並みが見えて、休憩がてら外に出ればカフェやパン屋がすぐそばにある。そんな環境の違いが、不思議と気分を切り替えてくれるからこそ、「今日はちょっと違う場所で作業してみたい」と思ったときに使うのはありだと思いました。
グループで課題をしたり、ちょっとした打ち合わせをしたりするのにも便利です。
ちなみに、僕が実際に行ったのはMyCowork(ポンピドゥーのすぐ横)でした。中はおしゃれかつ快適で、窓の外に広がるのが観光客で賑わう広場というのが「パリらしいな」と感じました。
ポンピドゥーセンターは改修のためしばらくの間閉鎖するのでこの地区は観光客が減るのではと懸念されていますが、どうなるんでしょうか、、、
パリの勉強場所まとめ
パリで勉強場所を探すなら、まずは図書館を軸に考えるのがおすすめです。私は気分に合わせて以下のように使い分けていました。
- 日常使い → 公立図書館、BULAC、大学の空きスペース、自分の部屋
- 本格的に集中、モチベーションアップ → BNFやサント=ジュヌヴィエーヴ
- 気分転換 → カフェ
- グループや利便性重視 → コワーキングスペース
勉強場所を変えることで気分も切り替わり、学習の効率も上がります。ぜひ自分に合った場所を見つけて、パリでの留学生活をより充実させてください!