フランス留学初期の生活体験談【最初の買い物・新学期・一人暮らし】|フランス交換留学(6)

渡航直前に起きたプチトラブル:台湾で道に迷う

台北・迪化街にて

私は台湾経由でフランス・パリに向かう便を選びました。トランジットが7時間あったため、我慢できずに桃園国際空港を飛び出し、台北市内へ向かうことに決めました。

士林夜市という有名な夜市で屋台飯を食べるというミッションを胸に、身一つで移動を始めました。台湾のEVA航空スーツケース2つまで預け入れが無料な上、場合によってはトランジット観光までできて、さらに値段も安いので本当におすすめです。

現地の女性に教えてもらいバスに乗り込んだのは良かったのですが、降りた場所が予想外でした。何もない大通りの端に降ろされ、地図で確認すると目的地からなんと川を挟んで3kmの距離…。トランジットで時間がなかったこともあり、めちゃめちゃ焦りました(笑)

暗闇の中、地元のおばあさんに助けられて、ようやく士林夜市に到着。夜市の賑やかな雰囲気の中、安堵感に包まれました。おばあさんに感謝してもしきれません。

迷子で飛行機に乗り遅れるという最悪の事態は避けられましたが、かなりヒヤヒヤしたのでトランジット観光の際は事前調べを入念にしましょう(←当たり前)

台湾からフランス行きの飛行機で爆睡から目覚めると、周囲のフランス人がワインを注文していて、フランスに近づく実感が湧いてきました。

ちなみに、到着したシャルル・ド・ゴール空港は成田空港的な場所にあり、上空からはパリの街並みとは程遠い畑しか見えませんでした。


シャルル・ド・ゴール国際空港に到着

シャルル・ド・ゴール空港に到着後、荷物を受け取って窓口でパリ行きのチケットを買いました。RERという電車を使って市内へ向かい、電車で約1時間かかりました。(空港はRER B線の始発・終点に位置しています)


CROUS寮でのチェックイン

入居時に渡された点検リストの紙

CROUS寮にはスムーズに到着できました。事前に到着時間を伝えていたので、寮のスタッフが温かく迎えてくれました。メールで何度も質問したりやりとりをしていた方だったので名前を聞いた時は「あ、この人だ」となり嬉しかったです!

部屋に案内されて鍵を受け取った後、部屋の点検をしました。シャワーやコンセントが使えるかどうかを含む数十項目のチェックリストが渡され、問題があれば即座に報告することになっています。

実際、コンセントが使えない場所があったので、すぐに修理をお願いしました。この点検を怠ると、退去時にデポジットが全額返ってこない可能性があるので、最初にしっかりと確認することが重要です。



授業開始までの過ごし方

パリ・パラリンピックの終わりかけに到着!

私がフランスに到着したのは9月の初めの週で、授業が始まる2週間ほど前でした。

オリエンテーションが授業開始の4日前だったのでそれまでに到着する必要があったのですが、余裕を持って到着しました。

実際、多くの留学生が余裕を持って到着していて、この期間は新しい生活に慣れるため、必要な手続きを済ませたり、部屋を整えたりする時間です。

中には新しい部屋に早速荷物を置いて、ヨーロッパの他の国々へ旅行に出かける人もいるようですが、私はパリ観光を楽しむことにしました。

エッフェル塔やシャンゼリゼ通りを歩いて、最初の一週間は普通の観光客のように過ごしました。しかし、学生証が発行された後は、ルーブル美術館やカタコンブなど、無料で入れる観光スポットがあることを知っていたので、そこは後回しにしました。

残りの時間は、部屋に足りないものを購入したりと、意外と忙しく過ごしていました。


寝具一式の購入と初めての買い物

生活を始めるためにまず必要だったのは、ベッドシーツ、枕、掛け布団(とカバー)でした。

調べるとIKEAがあったので行こうかと思いましたが、フランス人の友達からアパート付近の「MAXI BAZAR」というディスカウントストアを勧められ、そちらで購入しました。

MAXI BAZARは家庭用品や日用品を取り扱っているお店で、品揃えも豊富で、非常に便利でした。13区に住む場合は是非利用してみてください!

小さめの日用品を買うなら ACTION がおすすめです。
日本でいうと「100円ショップ」に近い感覚で、日用品や生活雑貨がとても安く揃います。家具は扱っていませんが、初期生活で必要な細かい物をまとめて買うには便利なお店です。こちらはパリの色々なところにあります。

後日シャワーカーテンやお皿を買うためにIKEAにも行ったのですが、日本と全く同じでフランスでも安心して買い物ができました。


最初の買い物では、渡航前に部屋に何が備え付けてあるかを確認しておくことの重要性を実感しました。

オリエンテーションと初めての交流

当日のタイムテーブル。3グループに分かれて進行した。


オリエンテーションでは事務的な説明やINALCOについて大講堂で説明があった他、他国から来た留学生たちと出会い、日本人の他大学の留学生とも交流することができました。

ヨーロッパからの留学生はイタリアからの学生が目立ち、アジアからは日本からの留学生が多かったように感じました。

また、オリエンテーション中に学内の団体(サークル的な)が入会を募っており、積極的に情報を交換したり、連絡先を交換したりすることで、後の留学生活に役立つつながりを作ることができました。

私は団体には入らなかったものの、最初の交流機会は非常に大事なので、積極的に話しておいて良かったと思いました。


授業開始前のフランス語クラス分けテスト

授業開始前、オンラインでフランス語のクラス分けテストが行われました。

内容は文法、読解、リスニングのテストで、各セクションで段階的にレベルが上がっていくようなシンプルなものでした。

数日後に結果がメールで届き、私はB2レベルのクラスに振り分けられました。

実際、この時点ではB2レベルのフランス語力はありませんでしたが、現地生活も踏まえてB2レベルになっていくという計算がされていたのだと思います。

授業開始

履修表は期限内であれば再提出も可能でした。


9月の中盤になると授業が始まりました。最初の2週間は履修調整期間で、気になる授業に出席したり、あとで変更・追加が認められる期間でした。

私はフランス語の授業(4技能それぞれのクラス)と、スワヒリ語の授業を中心に履修しました。政治学科の学生でありながら、単位換算はしない予定だったため、自由に履修することができました。

授業は非常にアクティブで、ディスカッションや作文などを通じて、フランス語力向上にかなり影響したと感じました。特にイタリア人の積極性が印象的で、日本ではなかなか感じることのない授業の空気が新鮮でした。

面接や作文の練習もできたので、のちにフランスで受験したDELF B2合格にも役立ったと思います。

一方、スワヒリ語の授業はほとんどがアフリカ系の学生で、私一人だけが日本人という完全アウェー感の中でしたが、その分交流も進みやすかったので、留学生としては授業以上に現地に溶け込む感じがして充実感がありました。

その他、INALCOには全ての大陸のほとんどすべての文明、文化圏についての授業があるので、聴講生として授業に出たりしていました。最初はわからなかったフランス語も、ずっと座って聞き、メモをとっているうちに数ヶ月後にはかなりの割合を理解できるようになりました。(自信がついて2学期にはフランス語の授業は取らず文化・社会の授業を中心に履修しました。


キャンパス内の交流

INALCOで教えられている言語たちが書かれた壁。

授業外でもフランス人や他国から来た学生たちと交流がありました。

特に、現地生と留学生という枠を超えたいろんな学生がいるのが印象的でした。正規の留学生や、移民の学生、移民2世などの学生がいる中で、在籍生≠ローカルフランス人ではないのが非常にキャンパスを豊かにしていました。

日本にいたら経験できないようなバックグラウンドを持った人々と出会い、留学生活の中で様々な価値観に触れることができたのも、この交流の醍醐味だったと思います。

授業が始まってすぐの時期は、大学や学生団体が主催するウェルカムイベントが何回か開催されました。ちょうどこの頃は、みんな「交流したい!」という気持ちが強いので、自然とグループや外出イベントが生まれやすい時期です。

私も、気づいたら近所の大学の新入生パーティに参加していたり、20人ほどでエッフェル塔近くを散歩したりと、とにかく初月は交流の機会に恵まれ、充実感でいっぱいでした。

この時期に大事なのは、積極的に話しかけること、そして大学に限らずどんどん外出することです。最初の一歩を踏み出すだけで、人との繋がりは驚くほど広がっていきます。


便利なアプリ

ここで、留学生活が楽になったアプリを紹介します。

  1. Too Good To Go
     飲食店で余った食材を安くテイクアウトできるアプリで、作るのが面倒でも外で食べるのは高すぎるという私のようなわがままさんにおすすめです。

  2. Bonjour RATP
     パリの電車やバスの最新情報を確認できるアプリで、グーグルマップでも十分対応できますが、最新の運行状況の遅延や運休情報を把握するのに役立ちます。パリでは想定外のことが日本より多いので入れておいて損はないと思います。

  3. Toilet Finder
     外出中にトイレが見つからない時に便利なアプリで、公衆トイレを簡単に探すことができます。特に夜遅くに飲食店が閉まっているときや、空いているけど貸してくれない場合に重宝しました。あまり清潔とは言えませんが、日本と違い無料のトイレがそこらじゅうにないので緊急時に必須です。


初めての一人暮らし

留学生活が始まった最初の数週間は、楽しいことが多く毎日が新鮮でした。

一方で、9月下旬に風邪をひいたことをきっかけに、生活の乱れを自覚するようになりました。部屋は散らかり、自炊も栄養を考えずに済ませがちで、水回りの掃除も後回し…。そこで「日常的なことをもっときちんと管理しなければ」と反省しました。

それ以来、買い物は計画的に行い、一週間のスケジュールを書き出して「何曜日に何をするか」を決めるようにしました。また、この頃から日記をつけ始め、生活のリズムを整える工夫を続けました。

こうした経験を通じて、自己管理力が以前よりも大きく成長したと感じています。


留学初期まとめ

✅到着後〜授業開始前は生活準備のゴールデンタイム
✅留学初期は人間関係を築くチャンス
✅一人暮らし初心者は自己管理を意識

🏠次回はCROUS寮での暮らしについて振り返ります!
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