パリ13区CROUS寮の生活事情と家賃|フランス交換留学(7)
私は1年間、フランス政府が運営する学生寮(CROUS寮)に滞在しました。場所はパリの13区(13ème arrondissement)。この立地と生活スタイルのおかげで、勉強だけでなく、友人関係や日常生活まで含めて、経済的に無理のない充実した留学生活を送ることができました。
この記事ではフランス留学中に滞在したCROUS寮での暮らしを、家賃や設備、立地の特徴とあわせて紹介します。これから住居を検討する方に向けて、ひとつの具体例としてお伝えできればと思います!
CROUSとは?|フランス政府公認の格安学生寮
CROUS(クルス)は、フランス教育省の管理下にある公的学生支援組織。学生向けに、低価格で安全な住居や食堂、奨学金サービスを提供しています。
留学生でも条件を満たせば入寮可能で、フランスに留学するなら誰もが一度は名前を耳にする存在です。
私が暮らした寮を一言で表すなら――
「月400ユーロ以下で、トイレ・シャワー・キッチン付きの一人部屋に住める!」
格安でありながら、「安かろう悪かろう」ではなく、安心して暮らせる住環境が整っていました。
寮の申込方法と注意点
私の場合、交換留学先の INALCOへの出願時に「CROUS寮希望」のチェック欄があり、合格通知とともに大学から案内が届きました。
ただし、注意すべきポイントがあります:
- 希望しても必ず入寮できるとは限らない
- 時期や申込者数次第では落ちる可能性がある
- 大学によっては手助けがなく、自力で探す必要がある
実際に、私の知人留学生は大学から案内がなく、自分でCROUSの公式サイト(申込ページはこちら)から直接申込をしていました。
→ アドバイス:寮を希望するなら「大学経由+公式サイト」の両方で早めに動くのが安全です。
部屋と設備|一人暮らしに十分な環境
強力なラジエーター(暖房設備)のおかげで冬も部屋では半袖でした |
私が住んでいたのは、パリ13区にあるCROUSの一人部屋寮。
部屋は16平米で、家具や水回りがコンパクトに整えられていました。
- ベッド、机、椅子
- シャワー・トイレ・洗面台
- ミニキッチン(電気コンロ2口・流し台)
- 冷蔵庫、収納クローゼット
さらに、オートロック付きのエントランスや管理人常駐(平日)、敷地内のポスト・ゴミ捨て場・ランドリーもあり、アパートのような安心感がありました。
特に良かったのは、水回りや設備の不具合も即日対応してくれる点。一度シャワーの配管が詰まりましたが、即日配管工が修理に来てくれ、費用は不要でした。これはCROUSならではの安心感です。
家賃と支払い方法|パリでは破格の395ユーロ
家賃は 月395ユーロ。支払いはCROUSの専用ページから毎月クレカ決済でした。
クレカの月限度額を変更する必要のある場合は、早めにしておくことをお勧めします。
とにかくパリ市内のワンルーム家賃は700〜1000ユーロ以上もある中で、この価格で一人部屋に住めたのは本当に破格です。
私のいた他のCROUSと比較しても安い方だったのですが、どこであれ「物価の高いパリで、現実的に生活できる」――これがCROUS寮最大の魅力だと思います。
立地|パリ13区の暮らしやすさ
パリ13区は、都会的な便利さと落ち着いた住宅街のバランスが取れたエリア。私の寮はセーヌ川沿いにあり、散歩やジョギングに最適な環境でもありました。
特徴をまとめると:
- 交通の便◎(RER C線/メトロ14号線が近い)=パリ中心地までも20分ほど
- 国立図書館(BNF)や大学が徒歩圏内
- LIDLなど安めのスーパーもあり、食費も抑えやすい
- 中華街があり、アジア系食材やレストランも豊富
都会の利便性+住宅街の落ち着き+物価の安さという、パリの中でも稀有な立地でした。
「エッフェル塔まで走って帰りは電車で帰ってくる」みたいな贅沢なルーティンも作ってました。
キッチンと自炊生活
キッチンは狭いながらも、自炊には十分。電気コンロ2口、流し台、冷蔵庫付き。
フランスの外食は高いので、自炊+学食(RU)を組み合わせれば、食費を大きく節約可能です。
こうした経験を通じて、自己管理力が以前よりも大きく成長したと感じています。
洗濯事情|コインランドリーと干し方
途中で値上がりしました(泣) |
寮内にはコインランドリーがあり、支払いは専用アプリからのクレカ払いでした。
- 洗濯:3ユーロ
- 乾燥:0.5ユーロ
私は乾燥機は使わず、100円ショップで買った洗濯紐で部屋干ししていました。パリは乾燥しているので、加湿にもなって一石二鳥でした。旅行にも携帯できて便利です。
たまに機材交換で寮内の洗濯機が数日間使えないことがあり、その時は近所のコインランドリーを利用しましたが、大きな不便はありませんでした。
寮生活の人間関係|静かな一人暮らし型
中央のエレベーターを中心としたシンプルな廊下 |
私の寮は個人部屋が基本で、共用スペースは閉鎖されていたため、住人同士の交流はほとんどなし。ただ、エレベーターやランドリーで会った他大学の学生と仲良くなることもありました。
寮にはWhatsAppのグループチャットもありましたが(エレベータの貼り紙から追加した)、やりとりはせいぜい「3番の洗濯機終わったから取りに来て。5分以内にこなきゃ出すからね」とか、「8階がうるさいから静かにしてくれ」といった実務的なものばかり(笑)。雑談や交流の場というより、生活のための掲示板のような雰囲気でした。
一方で、他のCROUS(たとえばCité Universitaire)では、国際交流イベントが盛んに行われていたり、共用キッチンが交流の場になることもあるようです。寮ごとに雰囲気が大きく異なる点も覚えておくと良いでしょう。興味があれば、他の寮のイベントに参加できることもあります!
まとめ|CROUS寮はフランス留学の強力なまとめ
1年間の経験を通して感じたのは、CROUS寮はフランスで留学生活を始めるうえで非常に現実的な選択肢だということです。
✅大学や図書館、スーパーが近い立地が多く、生活コストも抑えやすい
✅トラブル対応もバッチリ!