【語学初心者必見】独学で挫折しない!おすすめ外国語教材と選び方完全ガイド
語学を学び始めるとき、最初に選ぶ一冊はその後の学習の扉を開く大切な存在です。
英語以外の教材であっても、書店をのぞけばいくつもの入門書が並んでいるはずです。ただし、そこには「誰でも」「簡単に」「1日1章!」「確実に身に付く」といった、魅力的ながらも選択を難しくする言葉が溢れています。
一般的に語学教材は初級向けが圧倒的に多く、特に英語以外では「できそう!」という期待感を打ち出したコンセプトで作られたものが大半を占めています。
そこで今回は、これまで 10言語以上を独学 し、さらに 11言語を高校・大学で履修 してきた私自身の経験から、「最初の一冊」として本当に役立った教材を紹介します。これまで少なくとも 300冊以上の教材 を使ってきた中から選んだ、実践的なおすすめです。
教材選びは人それぞれの学習スタイルや目的によって異なりますが、この記事があなたにとって最適な一冊を見つけるためのヒントになれば嬉しいです。
薄くて簡単そうなやつを選べ!
結論から言うとこういうことになります。
ずらーっと並んでいる教材を眺め、できるだけ薄くて、そして簡単そうでモチベーションが出そうなやつを選びましょう。キャラクターが説明している系の教材でもいいですし、結局うんこドリル(文響社)のように笑ってしまうような教材が一番独学に適しています。飽きたり嫌になったら試合終了です。それは、言語学習が長期戦だからです。
一番やってはいけない過ちは、詳細な説明が載っていて隅から隅まで網羅している「ザ・教科書」といった部類の教材を選んでしまうことです。
分厚い文法書を避けるべき理由
たとえば書店でもよく見かける 「N○Kの入門から上級シリーズ」 のような、いわゆる「網羅型の文法書」。文法事項が丁寧に並んでいて、体系的に整理するにはとても優秀ですし、上級者や指導者にとっては心強い教材です。
しかし、独学で学び始めたばかりの初級者、特に「会話をしたい」「とにかく使ってみたい」という目的の人が手に取ると、むしろ逆効果になりがちです。
詳細な説明は初級者に不要
初級段階において詳細な文法事項を理解する必要性はありません。それにも関わらず、多くのもりもり文法書は過剰に詳細な説明を含んでいます。語学に限らず、物事はしようと思えば極限まで細かい説明ができてしまうものです。
「こんにちは」と言えるようになりたい人に、発音器官の構造や音声学の専門用語から説明しても意味がありません。まずはシンプルに「こんにちは」と発音できれば十分です。
「そんなの当然だ」と思うかもしれませんが、実際にはこうした冗長な説明の教科書は数多く存在します。特にマイナー言語の教材になるほど、その傾向が強まるように感じます。
単語だって語源があり、文法や発音も研究者たちが文章で説明してきました。でもそれらの情報は本当に学習者に必要でしょうか?私はあまり細かいことにこだわり、理解を求める教材は効率の悪い学習につながると考えます。
さらに、このような教材で学習すると、情報が多すぎて何が大切なのかがわからなくなります。一冊目の教材は最低限抑えるべき文法事項を提供してくれれば十分です。なぜなら語学における教材は踏み台に過ぎないからです。
受動的学習につながる危険性
しかし全ての文法事項が詳細に説明されていると、学習のプロセスに自分なりの独創性が入る余地がなくなり、能動的ではなく受動的になってしまいます。今の時代、何がわからないのかが分かればネット上に大体の回答が転がっています。
教材から学び、実際に使ってみようとしたときに生じる「疑問」と、それを解決するプロセスこそが語学の成長につながります。しかしこれが一冊で全て説明されてしまうと、その疑問の答えが教材の中にあると思って探してしまい、それは閉鎖的で受動的な学習になります。
さらに、すべての情報が完全に詰め込まれた教材を前にすると、人は完璧を求めるようになります。語学の、特に初級段階において、会話を目指す学習者にとって「完璧」という理想ほど恐ろしい敵はありません。
モチベーション維持こそ最重要
語学学習において最も大切なのがモチベーションの維持です。その理由は単純で、語学の上達は少しずつ進むものであり、いきなり自然に話せるようになったり語彙力が劇的に伸びることはな
いからです。
コツコツと長い時間をかけて、しかし途切れず継続していくことは、語学に限らず多くの人が苦手です。ここには辛抱強さが必要です。そんな中でモチベーションを保つためには、なるべく楽しいと感じられる教材を選ぶことが重要です。そして何より、言語は楽しく学んだほうが上達が早いのです。
言語別おすすめ書
ダラダラ説明しましたが、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、中国語、韓国語、タイ語、アラビア語に関しては私の中で正解が出ています。(その他の言語はまだまだ探しています)
「だいたいで楽しい○○語入門」シリーズ
全部買って勉強したからこそわかる、自信を持っておすすめできる入門書!! |
このシリーズは「だいたいで楽しい」というタイトル通り、難しい専門用語を使わずに基礎文法をテンポよく学べるのが最大の強みです。
文法用語に慣れていない初心者でも安心
CD付きなので耳から自然に慣れることができる
薄めの構成なので「これなら続けられる」と思いやすい
「まずはとにかく一冊やり切ってみたい」という人に一番向いています。
タイ語
→ 『今日からタイ語!』(岡本 麻里 著)
この教材の良い点は、タイ文字の細かい説明に入る前に「カタカナ+音声」で一気に会話表現を身につけられるところです。
アジア言語は文字に挫折しがちですが、この本は「文字はあとから、まずは口から入る」というアプローチを取っています。実際、3ヶ月毎日例文を音読していれば、自然に口からフレーズが出てくるようになります。
「旅行や短期滞在でとりあえず話せるようになりたい」という人に最適です。
私自身も、一度タイ語の文字の勉強で挫折した後に、この教材に出会い学習に復帰することができました!タイ語は文字、発音ともに難しい点で一歩目の難易度が高い言語なので、このアプローチは非常に合理的だと感じました。
アラビア語
→ 『今日からはじめる みんなのアラビア語』(エヴァ・ハッサン著)
アラビア語は文字も文法も難解で、多くの学習者が最初の一冊でつまずきます。しかしこの教材は、基礎から丁寧にステップを踏んでくれるので安心です。
文字の書き方・発音の説明が丁寧
例文がシンプルで、初学者でも負担が少ない
この本に慶應のアラビア語1年目の内容が詰まっています。実は私は著者の授業を履修していました!
「アラビア語に興味はあるけど何から始めたらいいか分からない」という人に強くおすすめできます。
アジアの言語を学びたい人へ
新しい言語を学びたい人の多くは、英語やフランス語、スペイン語などのインド・ヨーロッパ語族を選びます。世界的に広く使われており、大学などでも学ぶ機会が豊富だからです。
一方で、アジアの言語を学ぶ人も近年かなり増えています。
韓国語ブーム、中国語需要、東南アジア諸国への移住や旅行、ビジネス需要などが背景にあります。
文型と例文を両輪で学ぶのが効果的
私の学習経験から言えるのは、アジアの言語は「文法解説だけ」ではなく「文型と例文の両方」を徹底的に使って学習すべきだということです。
インド・ヨーロッパ語族は文法体系を積み重ねて理解するスタイルが有効ですが、アジアの言語は「文型の組み合わせ」で成り立っている部分が大きい。ここでいう「アジアの言語」とは、中国語や韓国語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語などを指しています。
これらはインド・ヨーロッパ語族とは異なり、語形変化が比較的少なく、文型(構文パターン)と語順の組み合わせで意味を作る傾向が強い言語です。そのため、文型パターンを押さえつつ、それを例文で反復練習するのが一番効率的なのです。
実践方法
- 文型をまとめた教材(例:「だいたいで話せるシリーズ」)を使って基盤をつくる
- 例文中心の教材を追加して、文型を実際の場面でどう使うかを反復練習する
- 音声付き教材を毎日まわす(できれば1日1周)
- 3か月続ければ構文や言い回しが自然に身につく
中国語学習の具体例
もし「中国語を学びたいけど、どう始めればいい?」と聞かれたら、私はこう答えます。
- まずは「だいたいで話せるシリーズ」のような文型中心教材で基礎パターンを押さえる
- その後、図書館などで**例文中心の教材(場面ごとや文型ごとに整理されたもの)**を借りて、音声を聞きながら反復練習する
- 同じ文型を複数の教材で確認することで、理解が立体的になり、定着度が高まる
この方法のメリット
- 文型の基盤+例文の応用力がバランスよく身につく
- 重要な文法はどの教材にも出てくるため、自然に定着する
- 一冊にしか出てこない文法は忘れても問題ない(使用頻度が低いため)
効率的に学ぶための参考図書
ここまで「一冊目の教材の選び方」について紹介してきましたが、実際に学習を始めると「どうすればもっと効率よく学べるのか」という課題にも直面します。
そこでおすすめしたいのが、多言語話者の秋山燿平さんによる著書
『純ジャパの僕が10カ国語を話せた 世界一シンプルな外国語勉強法』 です。
秋山さんは海外経験のない“純ジャパ”でありながら、独学で10カ国語を習得した実績を持つ方です。現在は中国でインフルエンサーとしても活動しており、さんまの東大方程式などのテレビ出演もあったのでご存知の方もいるかもしれません。
この本の最大の特徴は、「200単語・30表現を覚えて徹底的に使う」 という極限までシンプルに絞った学習法です。膨大な単語帳や文法書に取り組むのではなく、使う表現を限定することで短期間で「会話できる状態」に到達できる、効率重視のメソッドが紹介されています。
実際に私もこの方法を教材と組み合わせながら実践しましたが、「覚えるべきことが明確で迷わない」「本当に必要な表現だから定着しやすい」と感じました。結果として学習が単なる作業ではなく、「使える知識を積み重ねていく習慣」 になり、継続しやすくなったと実感しています。
語学学習を効率的に進めたい方にとって、この一冊は非常に心強い味方になるはずです。
終わりに
そのためには教材の選び方に加えて、言語を取り巻く環境や文化に興味を持つことも大切です。音楽を聴く、小説を読む、ニュースを読む、映画やドラマを観る、その国の友達を作る、旅行計画を立てるなどです。
中には「教材は一冊も必要ない」という学習者もいます。確かに現代ではほとんどの言語がYouTubeやブログなどで学べます。
私は初級段階では教材を使い、中級以降はネット中心に移行するスタイルをおすすめします。これは文法的な知識を理解しながら、同時にランダムな言語環境で新しいフレーズに触れられるバランスの良い学習法だからです。
それでは今回は以上です!
上記に挙げた言語、そしてそれ以外の言語についても日々教材調べはしていますので、質問があればぜひコメントしてください。また「この教材おすすめ!」という情報もぜひお待ちしています。