【全4パターン】 慶應生が語る交換留学と就活の両立

交換留学は、人生で一度きりの貴重な経験です。

しかし、日本の就活スケジュールと重なることが多く、「留学中に就活もやるべき?」「卒業は遅らせるべき?」と悩む学生は少なくありません。

本記事では慶應からフランスに9か月間の交換留学を経験し、就活も留学も本気の慶應生をそばで見てきた私が、交換留学と就活の4つの両立パターンを徹底解説します。

各パターンのメリット・デメリット、向いている人の特徴、注意点、実例まで余すことなくまとめています。

交換留学と就活のスケジュール重複

多くの大学では、交換留学は3年生の秋学期〜4年生の春学期にかけて実施されます。

一方、日本の就活スケジュールは以下の流れです。

  • 3年夏〜秋:サマーインターン(事実上の選考開始)
  • 3年冬〜4年春:本選考(エントリー、面接、内定)

つまり、留学期間と就活のピークが丸かぶりします。

以前は経団連のルールに沿い、4年春からの就活開始でも十分間に合いました。しかし近年は就活が早期化(3年夏から動き出す)し、長期化(内定まで半年以上続く)する傾向が定着していることはメディアでもしばしば取り上げられる事態になっています。その結果、交換留学と就活の兼ね合いが多くの学生を悩ませるということが増えてきました。

4つのパターン

以下は、実際の交換留学生が選んだ主な進路パターンです。

大切なのは「正解を探すこと」ではなく、自分の人生設計や価値観に合った選択をすることです。

① 両立型(4年で卒業&内定取得)


※IS=インターンシップ


文字通り、留学と同時期に就活を進め、帰国後すぐ卒業・就職するパターンです。


メリット

  • 学費は4年分で済む
  • 同期と同じ年度に社会に出られる
  • 履歴書上、休学・留年の記録が残らない


⚠️デメリット

  • 時差や授業との両立が非常に大変
  • 留学先の授業・課題への集中力が削がれる可能性
  • 卒業単位を留学前後で確実に確保する必要
  • 両方が中途半端になってしまうリスク


💡向いている人

  • 留学前から志望業界・職種が明確
  • 長期インターンや早期選考経験がある
  • 自己管理能力が高く、計画的に動ける


実例とイメージ

渡航前から自己分析・業界研究・企業研究を完了

→ボスキャリ、ロンキャリで内定を獲得

→オンラインで最終面接まで行ける企業も意外とある(交渉次第)

→卒業単位を事前に確保、または留学先でしっかり互換

→現地時間深夜に面接や説明会へ参加するケースも


補足

履歴書に休学・留年が残らないことをメリットとする意見もありますが、一部保守的な企業を除けば、交換留学は十分に正当な理由と認識されています。以下で紹介する休学や留年のパターンを取る学生も珍しくないため、「記録が残らない」ことだけで選ぶ必要はありません。

このパターンの成功には、徹底した事前準備が不可欠です。特に1〜2年生のうちに長期インターンや就活対策を進めておくと有利に働くでしょう。3年夏のサマーインターンは、渡航直前でも参加必須です。難関企業志望ならほぼ必須、そうでなくても企業理解を深める機会となります。


単位に関する注意点

例として慶應の法学部政治では、3年から4年に進級するために年間30単位以上の取得が必要です。この条件を満たさなければ留学後に3年生をやり直すことになります。大学・学部ごとの規定を必ず確認しましょう。

また、両立の中でも「まだ決めていないパターン」という、とりあえず両立を目指して、満足した内定が貰えなければ1年伸ばすという選択をする人もいます。一見柔軟に見えますが、進め方が中途半端になりやすいという点では注意が必要です。


② 休学型(留学と就活は分離、でも5年生はやらない)




留学後に半年〜1年休学し、1年後輩の学生の代に就活を行うパターンです。留年ではないため卒業単位は在籍中の4年間で取り切る必要があります。


メリット

  • 留学中は学業・生活に集中できる
  • 帰国後は就活に全力集中できる
  • 学費は4年分+休学費のみ(慶應の場合半年6万円)


⚠️デメリット

  • 就職は1年遅れる
  • 休学中は単位が取れない(在籍中の4年間で必要分を確保必須)


💡向いている人

  • 留学中は現地での活動に集中したい
  • 渡航時に就活の軸が固まっていない
  • 学費負担を抑えたい
  • 卒業単位には余裕がある


実例とイメージ

留学終了後、半年〜1年休学し就活を進める

→休学中は国内インターン、資格取得、自己研鑽に充てる


補足

休学型の背景には、日本の「新卒カード」制度があります。

たとえば27卒採用では、多くの企業が「2027年3月卒業予定者」を新卒と定義します。そのためストレート卒業で26年3月卒の交換留学生は、この企業の新卒採用の枠外となり、最終学期の前に1度休学を挟むことで卒業時期をずらす必要があります。

ちなみに近年は「2026年4月〜2027年3月卒業」に拡大した企業も増え、特に外資系や国際的企業は条件が柔軟です。この場合は半年の休学で1年休学と同じ効果を得られます。つまり26年9月卒(春卒)で27卒に臨むということです。休学費を抑えつつ、卒業から就職までの半年間を自由に使えるメリットがあります。(ちなみに私はこの作戦です)



26年春卒業でも多くの企業は27卒扱いをしてくれます


さらに柔軟な企業では、完全にストレート卒業し既卒として新卒枠に応募できる企業もありますが、まだ採用例は少なくパターンとしてはリスクが高いと言えます。

留学と就活を分けられるのが特徴とは言えども近年はサマーインターンの重要性が増しているため、帰国直後あるいは帰国直前からエントリーシートを提出したりする人が多いようです。そのため具体的なアクションは起こさないまでも、現地で生活する中で卒業後の大まかな方向性や仕事のイメージ、仕事で大切にしたいことを早めに考えておくに越したことはありません。


③ 留年型(余裕を持った就活)

こちらはシンプルに留学後、卒業要件を満たすために1年留年するというパターンです。交換留学でありながら在籍年度には加算せず、そのまま交換留学を挟む形で帰国後は1年後輩に加わって再開します。


メリット

  • 卒業単位を無理なく確保できる
  • 就活準備に十分な時間を取れる
  • 留学後も学内で授業を受けながら就活可能


⚠️デメリット

  • 学費が5年分必要
  • 経済的負担が大きい


💡向いている人

  • 留学先で単位互換が難しい専攻の人(理系など)
  • 家計的に1年分の学費延長が許容できる人


実例とイメージ

理系で専門科目の互換が難しく留年を選択

→留年中に研究や課外活動で強みを磨く


補足

単位・生活・就活すべてに余裕ができる一方、学費は確実に増えます。経済面と時間面のバランスを冷静に判断しましょう。


④ 大学院進学型

こちらに関しては就活のメリット・デメリットが関係がなくなってしまうので省略しますが、留学先で大学院進学を志す人もいたりするのでパターンとして入れておきました。

まだまだ日本は大学院進学率が低い状態にあり、特に私立文系の場合初めから選択肢として考えたこともない人が、海外大生と関わる中で自分の可能性に気づくという人も少なくないようです。



ボスキャリ・ロンキャリとは?【留学中就活の代表イベント】

画像出典:GAHAG(フリー写真素材集)


両立型のパターンでも触れた「ボスキャリ(ボストンキャリアフォーラム)」ロンキャリ(ロンドンキャリアフォーラム)」は、海外大生や留学経験者を対象にした代表的なバイリンガル就職イベントです。ボスキャリは毎年11月にアメリカ・ボストンで、ロンキャリは翌年2月にイギリス・ロンドンで開催され、世界中から内定を狙う学生が集まります。

最大の特徴は「イベント内完結型」の選考スタイルにあります。会場でエントリーシートを直接企業ブースに提出し、その場で一次面接、さらに最終面接まで進むケースも珍しくありません。中には数日で内定が出ることもあります。

さらに、選考を通過した学生や事前選考を突破した学生が招待される「ディナー」形式の懇親会が設定される企業もあります。これは採用担当者や現場社員と食事を共にしながら交流できる場で、企業文化や雰囲気を肌で感じられる貴重な機会です。ただし、こうした場も選考の一環と見なされることが多く、服装や会話内容には注意が必要です。

参加を検討する際は、事前エントリーやオンライン面接の通過が当日の内定獲得率を大きく左右することを覚えておきましょう。基本的には交換留学生も対象ですが、企業によっては正規留学生のみを対象としている場合もあるため、応募要項は必ず確認する必要があります。

北米の留学生はボスキャリ、ヨーロッパの留学生はロンキャリに参加する傾向がありますが、ヨーロッパ在住者がボストンまで遠征するケースも珍しくありません。どちらにしても早めの計画とエントリーがカギで、特にボスキャリは宿泊費が開催直前に高騰しやすいため、旅程の確保は早ければ早いほど安心です。

また、北米ではロサンゼルスキャリアフォーラム(LAキャリ)も毎年開催されています。規模はボストンほどではありませんが、西海岸在住の留学生にとってはアクセスが良く、参加しやすい重要な選択肢です。日本国内では東京キャリアフォーラム大阪キャリアフォーラムもあり、国内外問わず自分の状況に合わせた会場を選べます。いずれの会場も開催日程や参加条件は年度によって変わるため、詳しくはキャリアフォーラム公式サイトで最新情報を確認してください。



パターン選びの3つの判断軸

  1. 卒業時期の優先度

    同期と同時卒業か、1年遅れを許容できるか?

  2. 学費負担

    休学費・留年費はいくらになるか?

  3. 就活準備の時間

    留学前に動くか、帰国後に集中するか?


まとめ:早めの計画がカギ

Illust by illustAC


いずれを選択にするにせよ、交換留学にいけるチャンスを掴んだのであれば中途半端に終わるのは避けたいはずです。自分の選択の責任は自分しか取れません。だからこそしっかりと意思を持って選び、計画を立てていきましょう。

個人的には、就活というイベント単体で考えるよりも、大学卒業後の進路・人生設計・社会との関わり方まで広げて考えることが重要だと思います。

私自身の体験談や選択理由については「こちら」で詳しく記しています。

それでは、皆様が最高の留学生活を送れるよう祈っております!



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